チームで成果をあげるしくみを知る『実行力』橋下徹

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大阪都構想の実現に向かっていく中での実例を元に綴られた本書。
学者やコンサル屋さんの言葉と比べると実務家としての橋下さんの言葉は密度が、重さが違うので読んでいても腹落ちすることが多かった。
そして言葉が強い。
以下、本書からの学びの書き留め。
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素人目線での学びの重要性

橋下氏は治水工事に際しては何冊もの本を読みその道で修士や博士を持った人間に対して、得られる結果と予算を天秤にかけながら、意思決定を行った。

例として上がっていたのは、諸学問では想定されていない下流域の大雨が起こったらどうするのかについて。

また、淀川の水位を規定値より1cm下げることで得られる恩恵(or避けられるリスク)とその期待値は何なのか。

 

最後の相場師と言われる是川銀蔵も株式投資を始める前は3年間も毎日図書館で経済を研究し、鉱山事業に乗り出すときは地質や採掘方法などについて調べに調べまくったという。

知人によれば、自分が未経験の業界で事業を行うときは1年近く調べ尽くして事業ドメインを学び尽くすそうだ。

敗けたら潔く従う

大阪府、大阪市では長たる橋下氏への異論反論は大いに結構、

「傾聴し、大いに検討する。しかし決定事項には絶対に従うこと」

ということだったそうだ。

こうすることで、互いが腹の中を出し合って、多少の不満は残ったとしても対立陣営からも有能な人材を抜擢していた。

全会一致のために時間を浪費することほど無駄なことはない。

これは自分も肝に銘じるべきかと思った。

道を示す

橋下氏の実績で言えば大阪城でのモトクロス。

盲目的に従っている不合理な監修を破る。

それも、少しずつじゃなく劇的に。

これは、権限を持った人間じゃないとできない。

成功事例を作って示すことで後続のアイデアや実績が生まれる。

トランプ大統領の法人税大幅減税、中国製品への25%の関税も大統領が掲げてパスしたことで実現した。

権限を持つものは既存の道をなぞるばかりじゃなく、新たな道を切り開く。

実行プラン

言うは易しだが、実行した場合の問題点や、遂行のための必要条件を予め確認しておかなくては原発撤廃やブレグジットの轍を踏むことになる。

周りがなにを言っても、実行者以外の人間は要望を言って、座して待つだけ。

他人事として考えている人間はどれだけ高度な知識を有していてもその見解が正しいとは言えない。

そしてvision、strategyを用意したら、実行部隊を組織するところまでが1set、じゃないと実らない。

決定しても、権限譲渡なども固めておかないとちゃぶ台を返される可能性も残る。

竜馬は共和制を目指して、最も被害の少ない手段のために大政奉還を企図、新政府の人事も決めていた。ステップが組めていた。

西郷や桂は倒幕がゴールになっていてその後は漠然と島津将軍、毛利将軍を想像していただけ。

大政奉還は勝海舟のアイデアということになっていたが、時期を読み、プランを練り、場を整えたのが坂本竜馬。

3パターンの提案

本命、対極、中庸の3つのシナリオを用意すべき。

状況を1歩でも進めるためにはよりマシなアイデアを採用していくことが必要。

どんなアイデアにも問題点はある。そのネックを論ってつついているだけでは全く意味がない。

総合点が1点でも上がる意思決定をしていかなければならない。

本命のアイデアが落ちても中庸で少しでも状況を上向けられるなら重畳。

そのアイデアは提案サイドのニーズを踏まえながら目線のレベルを合わせる。上にも下にも。

橋下氏が安倍、菅両氏と会談する際は大阪というレベルじゃなく、日本国という国家の目線で提案をする。

そしてその提案の理想はA4、A3一枚に収める。

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