2013年 統計数理 第1問 解答

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市販の過去問の解説が気に食わなかったため、素朴な解答を考えてみました。

変数変換は分布関数からではなく、密度関数からやるほうが性に合っています。脳筋っぽくていいと思います。

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問題設定

円周1の円上の2点があって、
短い方の弧の長さをX
長い方の弧の長さをYとする。

動画解説ver

[1]

X, Yの期待値と標準偏差と相関係数を求める。

$$X~U\left(0,\frac{1}{2}\right)、Y~U\left(\frac{1}{2},1\right)$$

であることがわかります。

私もですが、円周を2πだと思いこんで解いてしまう人が多発します笑
その時はπ=1/2をあとから代入して帳尻を合わせましょう。
一様分布の期待値や分散を覚えている人もあまりいないでしょうから、
確率密度関数を求めて普通に積分します。
$$f_X(x)=\frac{1}{\frac{1}{2}-0}=2$$
$$E[X]=\int_0^{\frac{1}{2}}2x\,dx$$
$$\Leftrightarrow \left[ x^2\right]_0^{\frac{1}{2}}=\frac{1}{4}$$
$$E[Y]=E[1-X]=1-\frac{1}{4}=\frac{3}{4}$$
$$E[X^2]=\int_0^{\frac{1}{2}}2x^2\,dx$$
$$\frac{2}{3}\left[\frac{1}{8}\right]=\frac{1}{12}$$
$$V[X]=\frac{1}{12}-\left(\frac{1}{4}\right)^2=\frac{1}{48}$$
$$\sqrt{V[X]}=\sqrt{\frac{1}{48}}$$
$$V[Y]=V[1-X]=(-1)^2V[X]=V[X]$$
相関係数について、
$$\rho_{XY}=\frac{Cov[X,Y]}{\sqrt{V[X]V[Y]}}$$
$$Cov[X,Y]=E[XY]-E[X]E[Y]$$
$$\Leftrightarrow E[X-X^2]-\frac{1}{4}\cdot\frac{3}{4}$$
$$\Leftrightarrow \frac{1}{4}-\frac{1}{12}-\frac{3}{16}=\frac{-1}{48}$$
Cov[X,Y]、V[X]、V[Y]が出揃ったので計算してみる。
$$\rho_{XY}=\frac{Cov[X,Y]}{\sqrt{V[X]V[Y]}}$$
$$\Leftrightarrow\frac{\frac{-1}{48}}{\frac{1}{48}}=-1$$

[2]

W=X/Yについて、F(w), f(w)を求めてグラフの概形を書く。

ここからも脳筋プレーをかましていく。

$$W=\frac{X}{Y}=\frac{X}{1-X}$$

$$(1-X)W=X\Leftrightarrow W=(W+1)X$$

$$\frac{W}{W+1}=X$$

$$\left(\frac{w}{w+1}\right)^{\prime} dw=dx$$

$$\frac{1}{(w+1)^2}dw=dx$$

$$f_W(w)=\frac{1}{(w+1)^2}f_X\left(\frac{w}{w+1}\right)$$

$$f_W(w)=\frac{2}{(w+1)^2}$$

0≦x≦1→0≦w≦1に気をつけると。

$$F_W(w)=2\int_0^w(t+1)^{-2}dt$$

t+1=uとして変数変換。

$$F_W(w)=2\int_1^{w+1}u^{-2}du=\frac{2w}{w+1}$$

グラフの形は適当に。

[3]

E[W]とWのメジアンを求める。

$$E[W]=\int_0^1w\cdot2\left(1+w\right)^{-2}dw$$

$$\Leftrightarrow \int_1^2\left(u-1\right)\cdot2u^{-2}du=2log2-1$$

中央値をmとすると。

$$F_W(m)=\frac{1}{2}$$

$$\Leftrightarrow \frac{2\cdot m}{m+1}=\frac{1}{2}$$

$$\Leftrightarrow m=\frac{1}{3}$$

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