- マーケティングの何たるか
- マーケターのキャリアとは
という二点で書かれています。
マーケティングを腰を据えてがっつりと学んだことがないなら一読すべきだと思います。
また、就活や転職を考えるなら、後半のキャリアについての考え方は非常に参考になると思います。
「本当にやりたいこと」がわからない。という人の助けになると思います。
USJを劇的に変えた「消費者視点」
ひとことで言えば、「消費者が本当に喜ぶもの」と「消費者が喜ぶだろうと売り手が思っているもの」は必ずしも一致しないということ。
売り手は毎日自社の商品を見て、触れて、企画して、改良してと関わっている時間も多い。
その分かなり専門知識もついてきて自社の商品やサービスに関する眼が肥えてきてしまい、消費者の感覚と乖離してしまうということだ。
実体験として、全く同じデザインのカードケースをゴートレザーとカウレザーで作って同額で販売したことがある。
結果は圧倒的にカウレザーに偏った。
国内の仕入れ値は牛よりヤギのほうが高い。でも、多くの人は牛革が最高級だという過去の印象を持っているという視点を見落としていた。
仕入れている自分からすれば、軽いし見た目は全く同じだし大して偏りは出ないと思っていて在庫数量の見積もりに失敗したのでいい思い出だ。
結局、マーケターは「消費者理解の専門家」ということだ。
消費者理解に徹すれば、「作ったものを売る会社」から「売れるものを作る会社」に代わって行けるということだ。
マーケティングの神髄は消費者理解。
営業とマーケティングの違い
森岡さんによれば、
「営業はものを売る仕事」「マーケティングは売れるようにする仕事」だ。
色々と解説を読んで、ネットでの販売経験に置き換えて自分なりに一言で表すと、
「営業はアクセスを取る仕事」「マーケティングはコンバージョンとブランド価値を高める仕事」
というところに落ち着いた。
売上の方程式
森岡さんの解説で、
売上=消費者数×認知率×配荷率×購入率×平均価格
となっている。
目標を達成する際にどの指標を向上させればいいのか、と細分化していくことになる。
これを起点にして、各パラメータに確率分布を仮定してより現実に近いモデルを作る事もできる。
その際には、
を見てみると数学に自信がなくてもとっつきやすいと思う。
もっと深いところ
一番、強調したかったのは、消費者理解がマーケターの生命線だということ。
原著にはもっと具体的で実践的なことも書かれているけれど、私の言葉よりも、森岡さんの地の文で読んでもらうほうが何倍も役立つと思う。