読みたいことを、書けばいい。を読んで。

書評
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最近、HPの製作やプレゼン、論文の執筆など、文章を書く事が多くなってきたものの、どれも期限があったりでやっつけ仕事の様になってしまったりして、自分でも納得できていなかったり他人から評価されなかったりした。

書きたいとは思うけれど、いざペンを握ってみると何も浮かんでこない。

書く事が苦になっていた。

今まで、「これはよくかけたぞ」なんて思えたものはなく、まるで自分の黒歴史であるかのように、書き終えた後は自分の書いたものなんて読み返したくなかった。

文章を書く際の根本はマーケティングと同じ。

本書では、楽しく書くためには……というテーマでの考え方や書き方が書かれていくわけだ。

目次の構成は以下の通り

序章:なんのために書いたか

第1章:なにを書くのか

第2章:だれに書くのか

第3章:どう書くのか

第4章:なぜ書くのか

おわりに:いつ書くのか。どこで書くのか。

実際に読んでみてもそうなのだが、「マーケティングのフレームワークと同じなんだな」という印象を抱いた。

はたして、その通りであった。

消費者理解を目指すマーケティングと人が読みたくなる文章を書く事は本質的に同じなのだろう。

マーケティングの目的が消費者理解なら、物書きの目的は読者理解ということになる。

読者理解って結局は消費者理解という事だし……

 

そして、その是非もツイッターならRTやFV、Facebookならいいね、ブログなら被リンクなどという形で返ってくる。

マーケティングなら市場シェアや売上といった形で返ってくる。

という点も似ている。

 

私は頭が固いし、人の感情の機微にも疎いのだけれど、「ああこれは本質的にマーケティングと同じなんだな」と思ってマーケティングに類比していく事でうまく理解していけた。

自分の書いた文章がつまらない理由は感情の吐露に過ぎないから。

何で、自分が思いのままに書いた文章なのに、後になって読みたいと思えないような代物になってしまうのか。

結局、感情だけが書かれているからだ。

本書の書き方に合わせると自分の内面だけを語っているからだ。

「いま、口内炎ができててご飯食べるの大変なんだよな~」

なんて言われても、知らんがなという感じだし、合コンでそんなこと言っているやつがいたらまずモテなさそうなのは想像に硬くないと思う。

でも、文章だとそういう誰得やねんというおもしろくない事を書いてしまっていることが多いのがつまらない文章が生まれる原因なのかと気付かされた。(この文章がそうなっていないことを願う)

 

ここで自分の文章がおもしろくないことに悩む読者に、本書の中でいちばんの1番の名文が刺さる。

事象とは、つねに人間の外部にあるものであり、心象を語るためには事象の強度が不可欠なのだ。

(p143)

心象(自分の感情など)を伝えるにはそれを支える客観的な事実(事象)が必要だということ。

「私は歌手のAが好きだ、毎年10回はライブに行くほどだ」

「私は歌手のAが好きなのだが、Aの歌には人間をリラックスさせるα波が強く現れているらしい」

という2種の書き出しが会ったとして、読んでいておもしろかったり、気になって次を読みたくなるのは後者だという人が多いということ。

実際にこうしたら活かせそう

自分なら、今後は文章の構成に詰まったときは森岡さんの本で書かれているマーケティングフレームワークをなぞってみると思う。

フレームワークは完璧ではないけれど、基本的な視点を見落とさずにカバーできるので有効に活用できる。

もちろん数学の公式と同じでバカの一つ覚えの様に何でもかんでもという事ではダメなので、筋が通っているかとか、エビデンスがあるのかとか考えなければいけない事もある。

 

あとは、ただの感情の吐露になってしまわないように構成段階で加える事象にあてをつけておく。

そうすることで文章がつまらなくなる事を避けられるばかりか、論拠が強くなったり、読み手が関心を持つきっかけになる。

また、本書で触れられていた内容のひとつに1次資料にあたるとあったが、1次資料を求めていく過程で自分の持つ情報の強度がより高まっていったり、周辺分野も見えてくるなかで、知ることの楽しさも感じたい。

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