【最前線レビュー】Summer Pockets 久々の良作

ギャルゲー
Pocket

まごうことなき良作、サマーポケッツ

ほんっとうにやってよかった。

発売日からプレイして、1日1ルートずつ吟味しました。

亡くなった祖母の遺品整理のために夏休みを利用して、

鳥白島にやってきた主人公の鷹原羽依里。

祖母の思い出の品の片づけを手伝いながら、

初めて触れる「島の生活」に戸惑いつつも、順応していく。

 

海を見つめる少女と出会った。

不思議な蝶を探す少女と出会った。

思い出と海賊船を探す少女と出会った。

静かな灯台で暮らす少女と出会った。

 

島で新しい仲間ができた―

出典:「Summer Pockets公式サイト

基本的には全ルートプレイ済みという想定でネタバレもガンガン書いていきます。

 

※ネタバレをご遠慮願いたいという方は、

目をつぶって一番下までスクロールするか、目次から「評価」「攻略」の箇所までジャンプしてください。

 

シナリオ全体についての感想

Pockets編も終えて全体像を俯瞰するとテーマ、コンセプトがきれいなシナリオに仕上がっています。

(伏線の様なものを残したまま完全に回収されなかったルートもありましたが……)

ギャルゲーらしく色んなヒロインを攻略していると見せかけて、プレイヤーはうみと同じくたくさんの夏を体験している。

というギャルゲーの特性を活かしたレトリックはよかったです。

構成

あくまで主観ですが、

「楽しかった過去に囚われてないで”今”を楽しもう」

ということがテーマになっており、

それを

「もし、過去に戻る力があったら?」

というコンセプトで表現されているなぁと感じました。

 

結局しろはも羽未ちゃんも楽しい過去を望みながら、最後には今を、これからを大事にしてほしいと思っている。

という結論に達しています。

 

羽未がしろはを変えてしろはが能力に目覚めない世界でこれまでと同じく二人はやはり恋に落ちる。

そんな予感を残した終わり方もよかったんじゃないかと思います。

 

プレイ直後なので感動が冷めず放心してうまく表現できません(笑)

ヒロイン

個人的な好みでは

紬>蒼>しろは>鴎

といった具合です。

紬 ヴェンダース

紬

むぎゅー

もう最後の歌が反則。

別れのシーンはただただ泣きました。

当分『紬の夏休み』はエンドレスリピート確定。

紬、お前がナンバーワンだ。

 

こういうゆるふわな感じのヒロインってあんまり好きじゃないので、さっさと終わらせようと思ってプレイしていました。

なのに、見た目通りのノー天気な存在じゃなかった。

誰よりも早く別れを受け入れて、本作のテーマである”過去に縛られずに生きよう”を

「ハイリさん、今日も楽しいですね」

「ハイリさん、毎日楽しいですね」

「明日きっと、楽しいですよ

明日も明後日も、ずーっとずーっと楽しいですよ」

と一番真っすぐに伝えられる。

羽未やしろはのように過去を何度もやり直して苦しんだ末の苦渋の結論というより素直な本心から出た言葉だからこそ何よりも心打たれる。

でも、そんな風に言われる側はそれがわかっているから泣いてしまう。

 

パリングルスの容器を集めた楽しみ、

灯台でのお泊り、

前倒しのバレンタイン、ハロウィン、クリスマス、ケンカ……

パリングルスの容器で作ったロウソクのに囲まれながら、全てがフラッシュバックしてきているときに紬の歌が流れてきて涙腺は崩壊。

 

本作で唯一泣いたシナリオでした。

 

ところで、ツムギはしろはや羽未と同じ力を持っていてあの場所にいたという理解でいいんでしょうか…?

『紬の夏休み』について

ハイリとの別れのシーンで流れていた紬の歌。

多くの人が泣いてしまったりなどいろいろな理由でその歌詞を吟味する余裕がなかったと思います。

クリア後に改めて聞いてみると、紬との思い出がフラッシュバックして感傷に浸り、あるいは泣けます。

紬の夏休み 歌詞

わたしは歌います わたしを探して

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

灯台で歌います 見つけてもらうため

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

飛べないトリさんは わたしを見つけます

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

おともだち探して 海辺をお散歩

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

(間奏)

灯台をお掃除 一緒なら楽しいです

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

トリさんの止まり木に ベランダを作ります

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

素材を集めます たのもしいトリさん

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

笑顔のウシさんも 灯台に集まります

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

わたしとトリさんと ウシさんで水遊び

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

三人で灯台で 星をみます着ぐるみで

むにゃにゃにゃにゃ…(略)

トリさんとウシさんと この夏は一緒です

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

トリさんと手をつなぎ わたしたち恋人です

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

(間奏)

かき氷膝枕 真っ赤なトリさん

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

そらいろのリボン わたしのたからもの

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

お祭りわたあめ 花火もきれいです

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

クリスマスハロウィン お花見バレンタイン

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

節分七夕 ひな祭りお正月

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

この夏と灯台と この島を忘れない

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

大好きなトリさん 大好きなウシさん

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

わたしは灯台で あなたにおかえり

むぎゅぎゅぎゅぎゅ…(略)

トリさん(羽依里)、ウシさん(静久)

本当に紬との思い出を、この曲を聴くたびに何度も追体験してしまう名曲ですよね。

久島 鴎

鴎

ぶっちゃけヒロインの数稼ぎとして放り込まれた感があって個人的には不服。

七海が出てきたときに、最初はうみだと思っていましたが、七つの海を越えてきたと言っていた。

鴎も個別ルートのラスト、羽依里に同様のことを言っていた。

 

ここで七海を持ってくるために鴎ルートを用意していたのか!

やるなぁと思っていたら、まさかのやっぱり羽未かい。

ミスリードのための噛ませ犬?

個人的には腑に落ちないヒロイン。

空門 蒼

蒼

七影蝶をプレイヤーに伝える役割を持った重要なヒロイン。

蒼の役割を通じて七影蝶が色々な人の思念だった。ということが伝わっていなければ、クラナドのいきなりみんな生き返った謎ENDみたいになってもおかしくなかったと思います。

あと、ポンコツ過ぎてかわいかった。

チョロすぎ。

ヒロインでありながら、天善や良一と同じくネタ要員という重要な役割も担っていた?!

鳴瀬 しろは

しろは

両親の死と”呪い”の一件を受けて他者とのかかわりを拒絶してしまうしろは。

うみのおかーさんをやっていく中で次第に明るさを取り戻してゆく。

“力”でうみの未来を視てしまってからは従容として受け入れ、手紙など可能な限り残せるものを用意した。

 

羽未や羽依里とのかかわりを通して成長していく様はヒロインでありながら主人公のようなポジション。

 

あくまでもヒロインのひとりなのにプレイしているとしろはと結ばれることは必然だったように錯覚します。

天善ッツ!

天善

これだけいいシナリオですが、結局一番印象日残ったのは天善。

まだ発見していませんがリトバスの筋肉ENDの様に卓球ENDと裸ENDの存在を信じています(笑)

 

友達と卓球やるときはメガネを外しましょう。

疑問

結局、しろはルートで出てきた”時を編むもの”って何だったのか。

羽未が徐々に幼児退行する、過去に戻る力の代償などその辺は謎が残っています。

そう思うと確固とした世界観を確立し、全てに根拠を用意している奈須きのこってすごい。と思うところです。

音楽

作品の音楽を原案者の麻枝准さんが監修しています。

これは社長が作曲を手掛けているアクアプラスにも言えますが、音楽に関わる方が中心でゲームを作ると非常にいい曲、いい作品になりますね。

うたわれるもの、WHITE ALBUM2なども名曲ぞろいの良作です。

 

KEYも強みはアクアプラスと同じく音楽なんじゃないかと個人的には思っています。

作画の驚異的な進化

伝統的なKEYのタッチから今回は絵のスタイルが大きく変わりました。

一気に今時の萌え絵というか、癖のないキャラ絵になりました。

個人的には伝統的なKEYのキャラデザは苦手だったのでとても良かったと思います。

妙に写実的な背景

キャラはラノベ調とかアニメ調なのに、背景はまるで写真の様なリアルな絵です。

現実世界に紬たちがいるような感じもするのでいいかと思います。

他のゲームだと、キャラのタッチに合わせてアニメっぽいタッチの背景だったりしたのでいい意味で気になっていました。

10段階評価です。

総合:9

シナリオ:8

音楽:9

作画:9

システム:10

感想

最近ではグリザイア ファントムトリガー以来の神ゲーだった。

と確信を持って言えます。

なんだかんだ言ってKEYってすごい。

今回はシナリオがきれいで、作画も非常に良かった。

また、いつもながら音楽がいいです。

攻略について

各ヒロインの個別シナリオに入るのは非常に簡単です。

行動選択型なのでお目当てのヒロインのコマンドを選び続けるだけです。

大別して2部構成となっており、1部で4人のヒロインの個別ルートが用意されています。

全ヒロインの個別シナリオを見終えると、第2部がはじまります。

そこからは1本道です。

推奨クリア順

蒼としろはが重要度の高いシナリオです。

それを考慮していけば、

鴎→紬→蒼→しろは

または、

蒼→鴎→紬→しろは

が全体を考えた際にシナリオがきれいです。

結局、神ゲーでは?

KEYらしいホモゲー臭を出しながら、謎展開も未回収の伏線もあれど、大筋でテーマとコンセプトがしっかりしていて、いいシナリオです。

 

個人的には2面的に楽しんだ作品。

というのも、この作品の本筋って

しろはルート→ALKA→Pocketという

メインヒロイン+αみたいな感じだと思う。

シナリオがきれいに通っているから面白い。

 

でも、紬というキャラを映えさせた人物の描き方に感動もした。

 

つまり、シナリオ面とキャラ面の2面から楽しんだ作品です。

キレイな絵、素晴らしい音楽。

三拍子そろった神ゲーと評せる作品だと思います。

本記事ではKEY Official Home Pageの画像素材を利用しています。
また、これら素材を他へ転載することを禁じます。

同じような感動を味わいたいなら

サマーポケッツは美少女ゲームとして、間違いなく良作として数年後も残ると思います。

そのレベルの良作だけを僕の目線で

【結論】これだけは本当にオススメのギャルゲー vita編

で紹介しています。

 

さらなる感動を求めたり、サマポケロスで語彙力を消失してしまったなら、プレイしてみることを勧めます。

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