感想 至高のギャルゲー、ホワイトアルバム2を振り返って。

ギャルゲー
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もう見たくない。でも、見ずにはいられない。

White Album2のアニメを観て、こんな結末、見たくなかったけど3人の気持ちは全部わかるし、誰も悪くないんだよなあ。なんて感傷に浸りながら、White Album2って原作のエロゲー、ギャルゲーでは続きがあるんだよ。アニメ化されたのは原作のIntroductory Chapter(以下IC)。つまり、序章なんだ。ここから始まるんやで。と知らされた時の続きが見れるという喜びと、また、誰も悪くないのにどうしても悪い方向に転がってしまう泥沼は心が、胃が痛い、見たくないという二重の相反する気持ちを抱えながら買ってしまいました(笑)

案の定ハマってしまい、もう見たくないとか言いながら全ルート少なくとも10回くらいはやっています。プレ値で当時3.5万くらいしたミニアフターも何とか入手してやりました。そして、エンディングを迎えた後は1週間近く呆然とします。後遺症が残ります(笑)

今でも、冬が来ると今年もWhite Albumの季節だな。とついプレイしてしまいます。

ギャルゲーとしてのすばらしさ。

White Alubum2(以下WA2と略す)シナリオ、音楽、ビジュアルが図抜けた作品だと考えています。

僕はギャルゲーをたくさんやってきましたが、特に重視するのはシナリオです。では、WA2のシナリオの優れたところとは何だったのでしょうか。

個別ルートで、他のヒロインの心情や本音が描かれる。

一般的なギャルゲーでは各ヒロインの個別ルートになるとその他のヒロインは一気に影を潜めエンディングを迎えるころには半ば空気レベルになるものが少なくありません。選んだヒロイン一筋で恋に落ちていき、2人の世界に没入しているのですから何ら問題はありません。

しかし、よく考えてみると、あるヒロインを選ぶ事は別のあるヒロインを選ばないということです。多少なりとも主人公である春希に気があったヒロインたちです。程度の差はあれ、恋が実らず落胆するのです。これは現実においてもそうです。僕は全然モテるタチでもないくせに偉そうなことを言いますが、誰か一人を選ぶということは、他の誰かを選ばないということです。選ばれなかったヒロインたちの秘めていた想いを背負って選んだヒロインを追いかける。そんなちょっとしたつらさも感じさせる作品です。また、選んだヒロインによって、選ばれなかったヒロインの吐露する心情や対応は変わってきます。すべてのルートを見終えた時には特に雪菜というヒロイン像が立体的になって来ることでしょう。

どこで見たかは覚えていませんが、White Albumという作品のテーマは「別れ」だそうです。別れの切なさを、選ばなかったヒロインとの決別を噛みしめて選んだヒロインとのストーリーを楽しむことができます。

 

シナリオを彩り、立体化させる音楽

シナリオ上でもカギになる音楽がすごい。本当に。

春希、かずさの出会いのきっかけであり雪菜との出会いのきっかけであり、シナリオ上で大きな役割を持つ音楽ですが、BGMとシナリオの連携も素晴らしいのです。辛い場面を引き立てる「氷の刃」、切なさと辛さの入り混じったキャラクターの心情を引き立てる「言葉にできない想い」、本音を言い合えた場面を象徴する「after all」、別れの切なさを盛り上げ、プレイヤーの精神を崩壊させる「Powder Snow」etc…

ほかにもたくさんの名曲がありますが、後で音楽だけ聴いてもいくつもの印象深いシーンが立体的に脳裏に浮かび辛くなったり、涙を流したりしそうになります。

「うたわれるもの」でもそうですが、アクアプラスさんのゲームって本当に他とは比べ物にならないくらいに音楽がいいです。

 

全体的にキレイでプレイしやすい

ギャルゲーで絵というと普通、立ち絵やCGを想像すると思います。WA2では立ち絵やCGがきれいなのももちろんですが、テキストボックスやメニュー画面など、雑に作ってあったとしても文句はない様な所までものすごくきれいなんです。

White Album2特有のレトリック

WA2にはテキスト上「……」と表記されているところでも音声が吹き込まれている箇所が多数あります。一般的なギャルゲーでは()で表記されるところでしょうが、相手には話さない話者の心情を表現しているところですが、テキスト上でも同じ扱いがなされ、耳を澄ませばその心情を把握することができる形態はプレイヤーに臨場感を与えます。

以下はネタバレを含みますので未プレイの方はご注ください。

本当のはじまり~全体的な構図~

章の名前通りですがIC、Closing Chapter(以下CC)を経てcodaを描く構図となっていますが、結局IC,CCはかずさと雪菜のどちらを切り捨てどちらを選ぶかというcodaのその場面に行きつくための状況整理、言い換えればWhite Album2/zeroとかcoda/zeroという前日談という位置づけと僕はとらえています。

WA2の特異な点はこの前日談を単なる過去回想的な手法を取らずプレイヤーを春希やかずさや雪菜、武也たちとともに時系列に従って追いかけるという最も自然に、順を追って、本編の始まりまでの諸設定の理解やヒロインへの感情移入をしっかり準備し、本編に向かいました。

 

おそらくですが、この物語のすべての始まりはやはりここでしょう。

ストラスブールでのかずさとの再会です。

普通だったらここから始まって、過去回想で補足をしていくでしょうが、IC,CCと時系列順に春希たちを追ってきた同志にとって、このシーンは「偶然の再開」とか「神様のいたずら」とか簡単には片付けられない大きな大きな意味がありましたよね。

 

ではICから順を追っていこの場面に帰ってきましょう。

Introductory Chapterの役割

1人と1人が出会い、2人になり、2人と1人が出会い3人となり、運命のいたずらか、3人は1人と2人になる。

かずさというヒロインの設定と2人が残されたという事実。

かずさと春希が互いが言えずにいた本音。それに気づいていながらも春希のことが好きだった雪菜は春希に想いを告げてしまった。

どちらのことも好きだからこそ板挟みになってしまった春希。

かずさと春希がついにはお互いの本音を知ったが、雪菜のこと、母親のこと春希のことを天秤にかけたうえでついにはウィーンへ行ってしまったかずさ。

このICでかずさという一目惚れした、未だに振り切れない忘れられない初恋の相手という設定を終える。また、雪菜への好意と罪悪感、忘れられないかずさという”過去”を3年後のCCへと引き継いだ。

アニメでしたが初めて僕がICを観たのは高校生の頃でした。春希たちと同じ高校3年生でした。当時は僕も春希と似た経験があり、苦悩したこともあったので特に感情移入しました。同じ部活のAに告白されてその子はいいなとは思っていたので付き合ったが、実は僕は同じ部活の別のB(付き合った彼女の友達)が好きで、どうしてもその子のことが好きで、ついにはBとデート行くことになってしまいました。するとデート中にAと遭遇してしまいますが、薄々僕の気持ちに気づいていたAが身を引き、結果的にBと付き合うことになります。しかしAのことも好きだった僕は罪悪感と自分への嫌悪感からBとうまく付き合えず……という経験があったのでヒロインの構図は逆でしたが、それ思い出して心を痛めました。また、皆が春希を責める中、CC以降の武也の様に心の中では唯一の春希の味方をしつつ雪菜のことを思って心を痛めました。僕の主観ではありますが、仮にかずさが日本に残っていても2人ともが雪菜への罪悪感からギクシャクしてしまっただろうなと勝手に妄想したりしました。

Closing Chapterから”始まり”

ICで引き継いだ”過去”の清算と雪菜というヒロインの設定、”決着”への準備がこの章の役割だったと思っています。

また、自分の過去の”罪”への春希なりの決着。

先ほども書きましたが、千晶、小春、麻理の各ルートで雪菜との別れを通して雪菜の心情が吐露されます。

振ってあげるねとさっぱりしたていで別れ、残念だけどもう無理みたいねと別れ、強がったりせずありったけの本音を話したうえで送り出されるように別れ、3度別れを告げたり告げられたりする中で、後ろ髪を引かれるような形もありきですが、雪菜への感情移入が完成されて行きます。

丸戸先生はこうやって我々を殺しにかかってきています。

 

春希とまた一緒に昔の様の様な仲に戻りたい。春希はかずさのことを忘れられるわけがないのに無理やり忘れようとして雪菜とやり直そうとするが、雪菜はかずさのことも好きだし、3人での楽しかった思い出をなかったことにはできない……

というぐちゃぐちゃして、一歩が踏み出せなかった雪菜の心境も年越しの春希の告白や、朋のごり押しをきっかけに再び辛い思い出のある歌を克服し、バレンタインのステージでかずさという過去に2人で決着をつけたこのシーンは武也たちと同じ気持ちでとうとうやりやがったなコノヤローといつも涙ぐんでしまいます。一番の思い出です。

とうとう、決着はついたもうこの2人も大丈夫だな。

足掛け3年、本当に何とか頑張ってこれてよかったな。とか誰やねんお前って感じの立場から感動してエンドロールで余韻に浸っているとエンディング後にシナリオが始まりました。そっかー、ストラスブールに来てるのかフムフム、クリスマスミサでプロポーズしていい感じのCG挟んで終わりかな~?

 

 

???「春希?」

え?

 

 

 

 

 

 

 

 

やりやがった……
と、みんな思いましたよね笑
地獄の始まり。最終決戦。
ここはもう一生のトラウマです。
ちなみに僕は生天目さんの声聞いた瞬間にはあぁ~~とため息が出ました。
辛い。
そして、OP→coda突入。
天国からいきなり地獄に叩き込まれた心地になりませんでしたか?
こうして本編が始まりを迎え、3つの終わりを迎えるわけです。
ICからのリアルタイムで7年の歴史をたどってくるとかずさ、雪菜それぞれに並々ならぬ思いを抱いて本当の始まりを迎えるから、かずさを退ける辛さ、雪菜を再び裏切るという辛さ共にひとしおですよね。
構成についての思いや、codaに臨んだ時の心情を3000字近く使って書ききりました(笑)
興奮しすぎて、文が乱れまくっているので、何度もプレイしなおしながら修正していきます。
codaと先ほど触れなかったCCのヒロインたちについてを述べようと思います。

個別ルートとヒロインについて

雪菜、かずさ、麻理、小春、千晶と5人のヒロインがいました。

設定上は2人のメインヒロインと3人のサブヒロインなのでしょうが、僕にとってはすべてあり得た話だし、全くサブには思えないのです。

 

ちなみに、1番好きなヒロインは麻理さんです。

続いて雪菜です。

ちなみに登場人物特別賞は武也

一番好きなルートはかずさEND

次は浮気END、次いで雪菜END、麻理さんEND

 

好きなヒロインと好きなルートが違うんです。いろいろギャルゲーやってきてこんなことはめったにありません。(Fate/stay nightくらい)

では、ヒロインについてから

麻理さん

社会的にも精神的にも自立していてカッコよくて容姿は端麗。でも好きな人には甘えたりダメなところを見せてくれるギャップにイチコロです。

この作品の影響をどこかで受けていたりするのでしょうか?

僕はCCの春希と同じ大学3年次に週5~7でバイトし、そこで出会った年上の女性とお付き合いをしています.

不思議なものです。

ちなみにその彼女の同い年の友達が佐和子さん的な感じだったりします(笑)

年は12歳上で麻理さんよりだいぶ上ですが……

高校時代といい、僕の人生はなぜかWhite Albumとオーバーラップするところがある。だから一層ハマってしまうのかもしれませんね。

ちなみにですが、12歳上の女性と付き合う大学生という設定から『夜の果てまで』という小説を読んだりしました。

雪菜について

CCまでは春希とかずさの邪魔しやがってとか思ってましたし。ICラストで、気持ちを取り直したのに今度はメンヘラ化。

もうなんなんだよ!とか思っていました。

ところが、CCで3回も別れながら本音を知り、CC雪菜ルートで過去と決別してゆく中で株を上げてきます。

そして極めつけは、かずさENDで壮絶な(ある意味4度目の)別れを経て数年後のビデオレター。雪菜がPowder Snowを歌うシーンです。

 

~今でも覚えているあの日見た雪の白さ。初めて触れた唇のぬくもりを忘れない I still love you~

 

この歌詞とこれまでの雪菜との思いで、何もかもが思い出されて本当に泣きましたし。心を折られて初めてやったときは本当に1週間くらい放心しました。

この後にミニアフターの雪菜ルートで雪菜が心底笑ってる未来が来て本当に良かったと嘆息しました。

雪菜ENDについて

どちらかといえば雪菜派の僕ですが、雪菜ENDはあまり好きではないのです。

かずさ一人だけが救済されないからです。また一緒に3人で歌を出すシーンがありますが、そこには春希のことをあきらめていても吹っ切れないかずさが見えるのです。CCの春希を思い出すのです。春希にしても一生かずさのことを整理しきれることはないのではないかと思います。

IC中盤までの様な事にはならないでしょうが構図的にフラッシュバックしてしまいます。

じゃあどう終わればよかったのかといわれると、浮気ENDしか思いつかないのですが、春希には雪菜がいるからまだしも、かずさを救済してあげたかった気になってならないのです。

でも、衣緒と武也がくっついていてよかったなあとも思うのです。

おわりに

半ば自己満足としか言えない駄文を5500余字にわたって晒しましたが、White Album2というストーリについて思うところは書ききりました。ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。

共にWhite Album2の余韻に浸れたら幸いです。

 




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